2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

坂井衡平の善光寺創建説

坂井衡平の『善光寺史』は現在でも善光寺研究の定本ともいうべき大著だ。坂井は明治一九年伊那の生まれ。東京帝国大学国文学科を首席で卒業した英才だったが、東大の助手時代に教授に疎まれ、学界に自らの席を占めることができなかった。 定職もないまま食う…

善光寺は渡来人によって建てられた?

仏教が十分に地方に浸透していない白鳳時代に善光寺が創建されたとしたら、この寺をつくったのはいったい誰なのかという疑問が残る。聖武天皇の命により全国に国分寺、国分尼寺ができる前から信濃の地に、善光寺の大伽藍があったということじたい不思議なこ…

善光寺瓦 善光寺信仰について4

最近、大本願の境内から善光寺創建の頃と思われる瓦が出土して話題になったが、昭和二八年にも同じようなことがあった。下水道工事を行っていた時、古い瓦が出土したのだ。出土した場所は、善光寺の参道の堂跡地蔵のあたりだったという。堂跡地蔵とは現本堂…

善光寺はいつできたか

善光寺はいつ頃できたのか、さまざまな説があってなかなか特定することができない。寺によっては記録が残っていて、創建年代がはっきりしているものもあるのだが、善光寺の場合は記録らしきものに乏しく、その創建年代についても百花繚乱、説によっては数百…

水内の里 善光寺信仰について

上信越自動車道更埴ジャンクションから上田方面に向かって走ると、トンネルの手前左側に美しく整備された森将軍塚古墳を見ることができる。森将軍塚古墳のような前方後円墳が善光寺平に現れるのは、だいたい四世紀の後半頃からで、この辺を支配した豪族の墓…

不思議な寺 善光寺信仰について

2009年の4月から5月にかけて、長野市の善光寺では7年に1度(正確には、6年に1度、開催の年も1年と数えると7年に1度となり、善光寺ではこういう表現をとっている。)の御開帳が予定されている。 善光寺の御開帳は、秘仏である本尊の善光寺如来の模倣仏である前…