2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

02 いつ頃はじまったのか

江戸時代の御開帳というのは、不定期で常念仏何万日とか本堂等の修復落慶記念というような名目で行われました。 最初の開帳は享保一五年で、常念仏二万日を記念したもので、会期は四月一〇日から一六日の七日間でしたが、大勢の参詣人でにぎわったということ…

01 御開帳とは

二〇〇九年の四月四日から五月三一日にかけて、長野市の善光寺では七年に一度(正確には、六年に一度、開催の年も一年と数えると七年に一度となり、善光寺ではこういう表現をとっている。)の御開帳が予定されています。 御開帳というのは別に善光寺の専売特許…

はじめに

牛に引かれて善光寺詣り 一生に一度は善光寺詣り 誰もが一度は聞いたことのあるフレーズですが、長野市の善光寺は、そんな言葉とともに年間六〇〇万人もの人が訪れる全国でも有数の観光寺院です。 そんな善光寺に関する文献は、ガイドの類から専門的な研究書…

本田善光

歴史と伝説の混在ということは善光寺のさまざまなことについていえる。例えば宿坊の歴史、浄土宗系の宿坊がほとんど若麻績姓であることから、すべて本田善光の子孫であるということになっているが、本田善光が想像の人であるとすれば、この説にも首をかしげ…

善光寺聖

善光寺信仰を全国に広めたのは善光寺聖であるといわれている。聖というと高野聖が有名だが、「高野山のほかにも善光寺・長谷寺・四天王寺・東大寺・鞍馬寺・清涼寺などにも聖がおってそれぞれの寺の勧進に従事していた。」(五来重「高野聖」) これらの聖はそ…

善光寺縁起

善光寺の歴史を繙いていくと、史実と伝説が混在していてどこまでが歴史的な事項であるのかわからなくなってしまうことがある。「善光寺縁起」というよく知られた寺の歴史についての言い伝えはあるのだが、これは想像の産物であり、実際の歴史とは違うのだと…

創建当時の善光寺

私たちはふだんさほどの不思議も感じることなく善光寺を見ているのだが、善光寺の創建についてだけでもさまざまな説があり、建立の年代も七世紀半ばから八世紀末まで実に百五十年以上もの開きがあることがわかった。 いずれにせよ、古代のある時期に善光寺は…